株式会社アイティジョイン 生成AI活用の取り組み
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生成AIを活用したシステム構築への挑戦

「やりたいこと」から始める
システム開発へ。

生成AIの進化によって、従来のシステム開発は大きく変わろうとしています。 私たちが注目しているのは、AIがプログラミングを代役してくれることではありません。 人が「こうしたい」と要求したことを、人とAIが相談しながら、設計、開発、インフラ構築までシステム全般にわたって進めていく。 アイティジョインでは、そのシステム構築モデルを実際の社内システム開発で検証しています。

JTALK PC版 お知らせ画面
JTALK スマートフォン版 タスク画面

ビジネスチャット「JTALK」― すべての工程をAIで実現 ―

人が担うのは、実現したいことを要求として伝え、AIとの間で必要な情報を受け渡すこと。 ドキュメント作成から設計、プログラミングまで、可能な限りすべてをAIに任せてシステムを構築してみる。 その挑戦から生まれたのが、ビジネスチャット「JTALK」です。

JTALKは、個人やグループでのトークを中心に、タスク管理、日報、お知らせ、各種Push通知、 Google Driveと連携したファイル共有、Web通話など、ビジネスコミュニケーションに必要な機能を一つのシステムにまとめています。 まず自社を実証フィールドとして本稼働を開始し、実際の業務で検証と改善を重ねています。 アイティジョインにおける「オール生成AI」で構築したシステムの第1号です。

JTALKは、完成した機能をそのまま使うだけのパッケージではなく、 利用企業自身が生成AIを活用しながら、自社の業務に合わせて機能を追加・拡張していくことを想定した ビジネスチャットのベースシステムです。導入をご検討の際は、アイティジョインへご相談ください。

従来約30人月を想定する規模を、約3人月で構築。 まず「動くシステムを生成AIでどこまで作れるか」に挑戦した、JTALK開発での実績です。

JTALKには、日常業務で実際に使うための機能を一つずつ追加してきました。 「こんな機能があれば便利」という要求を起点に、AIと相談しながら実現方法を決めています。

  • トーク
  • タスク管理
  • 日報
  • お知らせ
  • 通知
  • Google Drive連携
  • Web通話
  • PWA・スマホ対応
JTALK PC版・タスク管理・スマートフォン版の実画面
開発環境・言語Node.js / JavaScript / HTML / CSS
データベースSQLite
PostgreSQL対応版:検討中(大規模・高負荷環境向け)
サーバーOSWindows 11
主な利用ツール・サービスChatGPT / VS Code / Cloudflare / Google Drive

生成AIが変えたのは、開発速度だけではありません。

JTALKを作る中で最も大きく感じた変化は、 「自分たちが知っている技術で何が作れるか」ではなく、 「やりたいことを実現するには、どうすればいいか」から考えられるようになったことです。

すべてを知ってから始める必要はない。 人は「何を実現したいか」を考え、その実現方法をAIと一緒に探していく。

細かなプログラム技術を知らなくても、「こうしたい」から相談できる。

例えば、「スマートフォンを閉じた状態でも通知を受け取りたい」「未読件数をバッジで表示したい」 「ドキュメントを添付するのではなく、Google Drive上のファイルをそのまま共有したい」といった要求です。 私たちは、最初からPWAやPush通知、Web通話などの技術に詳しかったわけではありません。 まず実現したいことをAIに伝え、どのような方法があるのか、何を使えば実現できるのかを相談する。 そのうえで、複数の選択肢から自分たちの目的に合った方法を選び、実装へ進めていきました。

知らない技術も、最初から諦める必要がなくなった。

従来なら、詳しくない技術を使うためには、まず情報を探し、資料を読み、経験者を探すところから始まります。 生成AIは幅広い技術知識を持っているため、候補となる方式を短時間で整理できます。 「無料で使えるツールはあるか」「有料なら定価ベースでどの程度の費用か」 「それぞれの方法にはどんな違いがあるか」といった調査も、AIとの対話から始められます。 最終的な確認や判断は人が行いますが、調査にかかる時間は大きく短縮できます。

JTALK 実画面
JTALK PUSH通知・未読バッジ JTALK 通話着信画面 JTALK Google Driveリンク画面

画面だけではなく、データベースやインフラも要求から考えられる。

「どんな情報を管理したいか」「どんな履歴を残したいか」「どう検索したいか」を伝えれば、 AIは要件に合わせたテーブル構成や項目を提案できます。 APIや内部処理についても同じです。人は業務上どうあるべきかを要求し、 具体的な技術への落とし込みをAIと相談しながら進めることができます。

JTALKでは、サーバー構築や公開方法、セキュリティ、バックアップ、自動復旧などについてもAIと相談しました。 方式を一緒に決め、AIが整理した手順をもとに、実際のインフラ構築まで行っています。 生成AIを活用する範囲は、プログラム作成だけにとどまりませんでした。

「作って終わり」から、「使いながら育てる」システムへ。

これまで、パッケージシステムでは自由に変更できない部分も多く、 自分たちの業務をシステムに合わせざるを得ないことが少なくありませんでした。 自社向けに開発したシステムであっても、導入後の機能追加や変更には費用と時間がかかります。 そのため、「こうすればもっと便利なのに」という要望があっても、 実現を見送ってしまうことがあります。

AIを活用して作ったシステムでは、その関係も変えられる可能性があります。 JTALKでは社員に、まず要望を出してほしいと伝えています。 もちろん、何でも要望どおりに追加すればよいわけではありません。 システム全体のコンセプト、既存機能との関係、データ、セキュリティ、運用への影響を確認し、 取り入れるべきかをAIと相談したうえで人が判断します。

採用した要望は、再びAIを活用して設計し、実装する。 業務をシステムに合わせ続けるのではなく、システムも利用者の声を受けながら育っていく。 JTALKでは、その可能性も実際の運用の中で確かめていきます。

それでも、生成AIとのシステム開発は簡単ではありません。

JTALKでは、従来約30人月を想定する規模を約3人月で構築しました。 「動くシステムを作る」という点では、生成AIによって約1/10という大きな生産性向上の可能性を実際に確認できたことになります。 しかし、この数字をそのまま一般的なシステム開発の工数削減率として考えているわけではありません。

JTALKの初期開発では、まず生成AIだけでどこまで実現できるかを重視しました。 従来のシステム開発で求められる、十分な仕様確認、体系的なドキュメンテーション、共通化・標準化、 テスト基準に基づく品質確認までを最初から整えた開発ではなく、それらは実開発を通じて必要性を確認しながら整備してきました。

次に目指すのは、従来の開発基準と品質を維持したうえで、開発工数を約1/3へ。 単に速く作るのではなく、仕様・設計・標準化・ドキュメント・テストまで含めたシステム開発全体の生産性向上を目指しています。

だからこそ、「AIに頼めば簡単にシステムができる」とは考えていません。 実際に長期間AIと開発したからこそ、何度も逆戻りし、システム開発を経験してきたSEとして 心臓が止まりそうになるような思いもしました。

このようなドキュメントも、AIが理解しやすく、作成・更新しやすい形へ見直してきました。

AIは、良かれと思って「より良いもの」を作ろうとする。

指示が十分でなければ、AIは自分なりに改善しようとします。 すでに共通の処理があるのに似た処理を新しく作ったり、 同じシステムの中に少しずつ違う作り方が増えたりすることがあります。 人が大切にしている画面の項目配置や操作の統一感も、きちんと伝えなければ維持されません。

AIの得意な「推測」が、システム開発では困ることがある。

「ほかの画面と同じにして」と頼んだとき、欲しいのは本当にその画面を確認したうえで同じにすることです。 ところがAIは、確認せず「おそらくこうだろう」と推測して似たものを作ろうとすることがあります。 普段は便利な能力でも、システム開発では「推測する前に現物を確認する」ことが重要になります。

作業を細分化するほど、「元の目的」を見失うことがある。

AIに作業を依頼すると、まず作業を細かな単位に分けて進めようとすることがあります。 一度に大きく変更して暴走することを防ぐという意味では、決して悪い進め方ではありません。 しかし、細分化した一つの作業で問題が起きると、AIはその原因を深く追い、解決のためのやり取りを重ねていきます。 その問題を解決できても、深く入り込んだ結果、もともとどこまで進んでいて、次に何をする予定だったのかという 「復帰点」を見失うことがあります。

その結果、全体の進行状況と次の作業を人間側が把握し、改めてAIへ指示しなければなりません。 個々の問題を解決する能力が高くても、作業全体の目的と現在位置を維持しながら最後まで進めるためには、 人間側の進行管理がまだ重要だと感じています。

AIの良いところ・悪いところ
※ この画像は、生成AIが自ら内容を整理し、作成したものです。

長く一緒に仕事をしたAIとの経験を、どう引き継ぐか。

AIとはチャットという枠組みの中で会話を進めていき、長く仕事をすると、 その中には細かな約束や判断の経緯が蓄積されていきます。 しかし、やり取りが膨大になると応答が重くなり、新しいチャットへ引き継ぐ必要が出てきます。 同じアカウント内では大きな考え方が共有されても、細かな経緯まで完全に共有できているとは限りません。 引継ぎを誤れば、せっかく仕事をしやすくなった関係を一から作り直すことになります。

もし、とんでもない失敗をAIがしても、正確な原因を調べ、元の状態に戻し、 そこからどう立て直せばよいかを判断するのは人間です。 AIに責任を取らせることはできません。作業は驚くほど速く進む一方で、 うまくいかなくなったときの人間側の負担は決して小さくありません。

それでも、AIが悪いわけではない。 AIの力をどこまで引き出せるかは、人間側の付き合い方次第だと私たちは考えています。

人とAIの間に、お互いが動きやすくなるための「ジョイント」を。

AIはこれからも進化していきます。今日、人間とAIの関係の中で苦労して解決した問題が、 明日にはAI自身の進化によって解決されているかもしれません。 だから、現在のAIの弱点を一つずつ固定的な仕組みで補うことだけが答えではないと考えています。

大切なのは、人が要求を伝えやすく、AIが迷わず動きやすく、 AIの成果を人が安心して仕事に使えるようにすることです。 そのためには、正しい仕様をどう管理するか、どこまでAIに任せるか、 何を確認させるか、共通化や標準化をどう守るか、品質をどう確認するか、 長期間の仕事をどう引き継ぐかといった、人とAIの間をつなぐ仕組みが必要になります。

AI-PLUS1 ― 人間とAIのコミュニケーションツール ―

私たちは、その「ジョイント」を AI-PLUS1 として整理し始めています。 AIを制限するためではなく、AIの能力をもっと仕事で発揮してもらうために。 そしてAIが進化すれば、人間側の仕組みも一緒に変えていく。 JTALKでの実践を通じて、人とAIがより良く仕事をする方法そのものを作ろうとしています。

AI-TICKET AI開発チケット管理画面
AI-TICKET ― AI開発チケット管理
AI-VOTE 起票管理画面
AI-VOTE ― 起票・完了履歴管理

AIに仕事を奪われることを恐れず、AIで今まで以上の仕事をつくる。

生成AIによってIT業界の仕事は大きく変わっていくと考えています。 その変化を嘆いて待つのではなく、AIを活用することで、これまで費用や技術の壁で実現できなかったものを実現し、 今まで以上に良いサービスを提供する。そのために、私たちはまず自分たちで実践しています。

JTALKは、その第一歩です。